放射線診断科は、画像診断および画像診断の技術を応用した治療(インターベンショナルラジオロジー:IVR)を行っており、常勤医4名体制で診療にあたっています。
画像診断では、CT・MRI・核医学検査などの画像を読影し、質の高い画像診断結果のレポートを迅速に報告するように心がけています。
CT装置は256列および64列の多列検出器型CT(MDCT)が各一台配置されています。高解像度の高速撮影が可能で、診断に適した任意の断面像や3次元立体画像を作成でき、心臓CT検査による冠動脈の評価や全身の血管の評価も外来検査で施行できます。
MRI装置は3テスラ1台と1.5テスラ1台で、中枢神経系・胸腹部から骨軟部領域まで幅広い領域の精密な画像診断を行っています。特に、3テスラMRI装置では、高磁場を生かした高精細の高速撮影が可能で、救急疾患、腫瘍の術前診断、血管病変の評価などの検査を効率的に施行できます。また、腎機能の悪い方や造影剤アレルギーがある方でも造影剤を使用せずに血管の評価が可能です。そのほか、胆嚢、胆管、膵管などについても造影剤を使用せずに検査できます。
CT・MRIともに救急部に隣接して設置されており、救急外来患者の検査も迅速に対応しています。
核医学検査はPET-CTのほか、心臓、脳、肺、腎臓、甲状腺など幅広い領域の検査を施行しています。PET-CTは、悪性腫瘍の診断に大きく貢献しています。PET-CTでは、まず検査薬を静脈内に注射し、約1時間後に体内にいきわたるのを待って撮影します。がん細胞は正常の細胞にくらべてエネルギー(ブドウ糖)を多く必要としますので、検査薬(ブドウ糖類似物質)はがん細胞に良く集まります。また、同時にCTも撮影するため検査薬が集まっている病変の位置や形状を正確に把握できます。PET-CTは悪性腫瘍の病期診断や転移・再発診断のほか、心サルコイドーシス、難治性部分てんかんに保険適応が認められています。また、当院での人間ドックのオプションとして検査を受けて頂くことも可能です。
心臓、脳、肺、腎臓、肝、胆道、甲状腺などの核医学検査は、形態だけでなく各臓器の機能を評価できることが特徴です。臓器の機能を正確に把握することが可能で、適切な治療法の選択や治療の効果判定に重要な検査です。
IVRでは、血管病変や腫瘍に対する血管内治療を中心に施行しています。閉塞性動脈硬化症などに対する末梢血管のカテーテル治療や、大動脈瘤のステントグラフト内挿術などの血管内治療を循環器内科や心臓血管外科と共同で施行しています。また、肝臓癌などの腫瘍に対する抗癌剤動注療法・塞栓術、脾動脈や腎動脈などの内臓動脈瘤に対する塞栓術、臓器損傷や消化管出血に対するカテーテル的止血術、胃静脈瘤に対するカテーテル治療(BRTO)、透析シャント狭窄に対する血管形成術などを施行しています。そのほか、CTなどの画像ガイド下に腫瘍の組織診断目的のための経皮的生検や膿瘍のドレナージ治療も行っています。
当院には、据置型血管造影装置を備えたハイブリッド手術室が設置されており、手術室内で高画質の血管撮影などの画像診断を行え、その画像をリアルタイムに参照しながら治療できます。ハイブリッド手術室では、その特徴を生かし大動脈瘤のステントグラフト治療や、末梢血管病変の血管内治療と外科的治療を組み合わせた治療を施行しています。
また、放射線治療器も備えており放射線治療も行なっています。癌に対する放射線治療・IVR等を併用した集学的治療についても各診療科と連携し施行しています。
当院は日本医学放射線学会から放射線科専門医修練機関、日本IVR学会からIVR学会専門医修練施設の認定を受けており、若手医師や診療スタッフの教育・育成も重視し、より質の高い診療を提供できるように努めています。
地域医療との連携についても力を入れて取り組んでおり、近隣の医院や病院からCT・MRI・核医学検査等の画像検査の依頼を数多く施行しています。病状に適した検査法を選択し、検査結果のレポートを迅速に提供しています。特にPET-CTについては北播磨地域を超えて広い範囲から依頼を受け検査を行っています。
『新型コロナ肺炎の胸部単純レントゲン写真の自動診断』について(令和2年10月9日承認)
『Stanford B型大動脈解離に対するステントグラフト内挿術の治療成績と腹部分枝への影響の調査』について(平成29年3月14日承認)
氏名 | 補職名 | 卒年 | 資格等 |
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冨田 優 (とみた まさる) |
放射線診断科部長兼診療科長 | 1990 |
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濱中 章洋 (はまなか あきひろ) |
放射線診断科部長 | 1993 |
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宮本 直和 (みやもと なおかず) |
放射線診断科部長 | 1998 |
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難波 富美子 (なんば ふみこ) |
主任医長 | 2008 |
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田川 純麗 (たがわ すみれ) |
医長 | 2017 |
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出射 まり (いでい まり) |
専攻医 | 2020 | |
酒井 瑛介 (さかい えいすけ) |
専攻医 | 2022 |