令和6年4月より新しく新設されました先端医療センター(低侵襲心臓血管部門)のセンター長を拝命いたしました山田愼一郎と申します。当医療センターは平成25年に開院し、当初から心臓血管治療分野においても先端医療を提供することを目指してきました。特にこだわってきたのが高齢化率の高い北播磨地域における体の負担の少ない治療方法(低侵襲治療)の促進です。虚血性心疾患のみならず、弁膜症や大動脈疾患など、幅広い範囲での低侵襲治療を高いレベルで提供できるようスタッフ一同より一層精進して参ります。
冠動脈疾患の治療において行われるカテーテル治療においては手首の血管(橈骨動脈)からの治療が近隣の専門施設と比較しても非常に高くなっています(90%以上)。これに加えて弁膜症の一つである大動脈弁狭窄症に対するカテーテル治療である経皮的大動脈弁留置術(置換術ともいいます)(Transcatheter aortic valve implantation/replacement;TAVI/TAVR)を導入、これまでに200例ほどの特に開心術のリスクの高い患者に施行しています。また開心術においても全国的に見ても数多くの患者を最新の低侵襲治療である内視鏡下低侵襲心臓手術(MICS)で治療しています。これらの治療を推進した結果、高度治療をうけられた患者であってもより早期の退院と社会復帰が可能になっています。
さらなる低侵襲治療として今年度に弁膜症の一つである僧帽弁閉鎖不全症に対するカテーテル治療である経皮的僧帽弁接合不全修復術(MitraClip)を開始します。この治療により主に高齢で開心術が難しい心不全を伴う僧帽弁閉鎖不全症の治療が可能になります。また、卵円孔開存という先天性の異常によりごくまれに比較的若年の方が脳梗塞を発症することがあります。その再発予防のためのカテーテル治療(経皮的卵円孔開存閉鎖術)についても今年度に開始する予定です。
氏名 | 補職名 | 卒年 | 資格等 |
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山田 愼一郎 (やまだ しんいちろう) |
内科診療部長兼先端医療センター長(低侵襲心臓血管治療部門)兼循環器内科部長兼循環器センター長 | 1992 |
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森本 喜久 (もりもと よしひさ) |
先端医療センター副センター長(低侵襲心臓血管治療部門)兼心臓血管外科部長兼診療科長兼循環器センター副センター長 | 1992 |
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山田 章貴 (やまだ あきとし) |
心臓血管外科部長兼重症虚血肢センター長 | 1998 |
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田頭 達 (たがしら とおる) |
循環器内科主任医長 | 2004 |
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寺下 大輔 (てらした だいすけ) |
循環器内科主任医長 | 2009 |
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髙橋 悠 (たかはし ゆう) |
循環器内科医長 | 2012 |
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