放射線治療室は、放射線治療の品質保証・品質管理を専門にする独立部門として2023年度に当院に新設されました。品質保証・品質管理とは、放射線治療機器の技術的な管理にとどまらず、広義では放射線治療の質を保証するためのあらゆる活動とそのマネージメントにまで及びます。当室にはその専門職種として専従の医学物理士が在籍しており、放射線治療医師、診療放射線技師、看護師らと緊密に連携し、安全で適切な放射線治療を患者様に提供するためのチーム医療体制の一端を担っています。
医師の指示のもと症例毎に最適な治療計画を立案しています。また作成された治療計画に対して模型(ファントム)を使用した線量検証を実施し、実際の患者様に照射される前にその安全性および照射の精度を担保しています。
国内・国外の主要学会のガイドラインに則り、当院の状況に合わせた放射線治療のための品質保証・管理プログラムを策定、実施しています。機器ベンダーや外部機関とも協力し、技術的な課題の解決にも取り組んでいます。
新しい治療装置やソフトウェア、照射技術等を臨床導入する際には、事前にその精度や安全性を十分に検証・評価(コミッショニング)を行い、それらのデータをもとに当院での適切な運用を決定しています。
放射線治療の技術的な専門部門として、医師や放射線技師らとともに、院内カンファレンスでの提言や当院の臨床プロトコルの作成などに携わっています。また、患者様から放射線治療の技術面での質問などがございましたら、ご説明させていただきます。
コンピュータの進歩と同じように放射線治療の分野も日進月歩で進化しています。最新の技術や知識を当院でも生かせるように、学会の講習会への参加や最新のガイドライン・文献を通して絶えず研鑽を積み、より良い治療の提供に努めています
神戸大学等の実習生や大学院生へ医学物理に関する指導を行っています。また、学術面においても神戸大学をはじめとする研究機関と提携しながら、放射線に関する幅広い研究活動に取り組み、その成果を学術大会や学術論文にて発表しています。
常勤医学物理士 2名
医学物理士、治療専門医学物理士、放射線治療品質管理士、診療放射線技師、放射線治療専門放射線技師、第1種放射線取扱主任者、エックス線作業主任者、医療情報技師、医学博士
日本医学物理学会(JSMP)、日本放射線腫瘍学会(JASTRO)、日本医学物理士会(JCMP)
放射線治療科、放射線治療センター、中央放射線室